委任状の日付と登記原因の日

委任の日が登記原因より前でもよいのか

登記申請の委任状を作成する場合、不動産の売買による所有権移転日などの登記原因日付より前の日付での委任状で、登記申請をすることができるか、という問題があります。
特に、海外在住者が領事館で署名証明書(サイン証明書)や在留証明書を取得する際に、日本から送った登記原因証明情報や委任状の日付がどうなるのかという点が挙げられます。
このような委任状の日付に関する論点について、以下の見解がありますので、ご確認ください。
なお、法務局によっても取り扱いが異なる場合がありますので、管轄の法務局にも確認が必要です。

委任状の日付と登記原因の日の前後についての見解

  • 委任状の日付と原因日(日司連不動産登記法改正等対策部)
    http://www.shiho-shoshi.or.jp/cms/wp-content/uploads/2014/03/201311_09.pdf
    (月報司法書士 2013.11 No.501 53頁)
  • 登記の申請書に添付する委任状の委任の日が登記原因の日より前の日付であっても、却下事由とならない。
    (登記先例解説集・パネルディスカッション平成3年12月25日発行第361号(31巻12号)78頁~79頁)
  • 委任状に記載されている委任の日は、登記原因の前後を問わない。
    (横浜地方法務局 横浜司法書士会横浜登記実務協議会報告 平成5年11月2日協議会報告)
  • 所有権移転または(根)抵当権設定の登記の申請書に添付されている委任状に記載された委任の日は、登記原因の日の前後を問わない。また、署名証明書の証明の日および委任の日も同様である。(平成7年11月16日大阪支局決議、民行部主席登記官回答)
  • 「平成18年8月6日付け登記原因証明情報のとおりの根抵当権設定登記申請に関する一切の件」と委任事項が登記原因証明情報を援用している場合の委任状の委任日付は、登記原因の日より前の日では受理できないが、
    登記原因証明情報を援用していない場合の委任状の委任日付であれば、期限付き契約等をしているとも考えられ、登記原因の日の前後を問わず受理できる。(新不動産登記先例・実務総覧P521)
  • 不動産登記におきましては、登記事項が委任状に記載されている場合は、原因日より前の日付の委任状も差し支えない(平成3年1月19日登記実務研究会質疑応答不動産登記パネルディスカッション)ものとされておりますが、一部の出張所において受理しない取扱いがされているようですので、統一化をお願い申し上げます。
    →不動産登記の取り扱い:貴見のとおり。ただし、登記事項がすべて委任状に記載されている場合に限る。
    (平成26年度東京登記実務協議会の開催決壊について)

 

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