離婚と住宅ローン返済
- 2016/11/30
- 2019/2/8
住宅ローンが残っていて離婚する場合
住宅ローン返済中に離婚、自宅を売却せずに住み続けたい場合は、どうすればよいでしょうか。
賃貸の物件や実家に住んでいる場合とは異なり、マイホームを購入し住宅ローンを返済中に離婚が決定した際には、その後のローンの取り扱いが一番大きな課題となります。
たとえローン返済中でも、不動産の査定額がローン残高を上回る場合には、家を売却してそれぞれが別の場所に住めば比較的早期に問題は解決するでしょう。
しかし、夫婦のどちらかがその家に住み続ける場合にはいくつかの問題点が生じます。
誰が住み続けるか?
ローンの債務者が誰なのか?
によってその問題点も異なります。
下記3つのケースに分けてそれぞれの注意点や解決策を考えてみたいと思います。
1.夫が家に残り、住宅ローンの債務者も夫のまま
この場合、住宅ローンの債務者である夫のみがその後も家に住み続けるわけですから、融資をおこなった銀行にとっては何の問題もありません。
ただし妻が夫の連帯保証人になっている場合には注意が必要です。
離婚して妻が家を出たからといっても、住宅ローンが完済されるまでは連帯保証人としての責任を免れるわけにはいきませんので、万が一夫の返済が滞れば、今度は妻に返済の請求が来ることになります。
この事態を回避するには以下の3つの方法などが考えられます。
住宅ローン残高相当分の別の不動産を追加担保に差し入れる
いざという時に取り返せる別の担保があれば、金融機関の合意が得られることもあります。
別の連帯保証人を連れてくる
一定の収入のある親族等に連帯保証人を代わってもらう方法です。
ただし、リスクの大きい連帯保証人の身代わりを探すのは容易なことではありません。
住宅ローンの借り換えを行う
ある程度の返済が済んでいる場合や、夫の年収が当初より上がっている場合など、現在の住宅ローン残高が(夫婦合算収入ではなく)夫単独の年収でも支払っていける金額と見なされれば、借り換え後は妻が連帯保証人になる必要はありません。
住宅ローン借り換えの登記手続きについては、当事務所までご相談ください。
2.妻が家に居住、住宅ローンの債務者を妻に変更
この場合には住宅ローンの債務者を妻に変更するために、妻にある程度の収入があることが大前提となります。
一般的に、夫と同等もしくはそれ以上の収入が妻にある事例の方が少ないかと思いますが、妻が銀行の審査を受け、無事審査に取った場合には下記の登記手続き等を行ってその後も問題なく家に住み続けることができます。
①財産分与による不動産の(夫から妻への)所有権移転登記
②夫名義の住宅ローンの抵当権抹消登記、妻の審査が通った新しい銀行での抵当権設定登記
それぞれの登記続きに関する費用や具体的な流れ等はお気軽にお問合せ下さい。
3.妻が家に住み続け、住宅ローンの債務者は夫のまま
この選択は比較的多めです。
子供が居る場合、離婚による引っ越しや転校をなるべく避けたいと考えるのは当然のことです。
夫が住宅ローンを確実に支払ってくれるのであれば、住む場所に悩むことはなく妻と子供も安心して生活することが可能だからです。
ただしここで注意すべき点は、夫が家を出たあとに住宅ローンを滞納した場合です。
滞納が続けば当然に銀行は抵当権を実行し、不動産が差し押さえられてしまいます。
これを避けるため、財産分与・慰謝料・養育費等の総額=住宅ローン残高と設定し、住宅ローンを払い続けることを夫の義務とする方法もあります。
口約束では先に述べたような滞納発生時に対応できませんので、離婚協議書を公正証書に残すほうがより確実ではあります。
更に、ローン完済後の贈与仮登記をつけることで、夫が勝手に住宅を売却したり、担保に入れたりするリスクを回避する方法がありますが、いずれにせよ慎重に手続きを進めなければなりません。
また夫が滞納していない場合でも、あくまでも住宅ローンは「契約者本人が居住するための家」に対して行われる融資です。
つまり離婚によりそのローン契約者が家を出てしまうとなれば、融資当初の条件とは異なるため契約違反となり、場合によっては銀行からローン残金一括請求をされることもあります。
上記いずれの場合においても、リスクや問題点または収入面でクリアすべき壁が存在しています。
特に住宅ローンについては夫婦間の取り決めだけでなく、金融機関も関与しているために、自己判断で勝手に手続きを進めることはお勧めできません。
司法書士法人はらこ事務所では、お客様それぞれの事情をお聞きし、ケースによっては提携士業との連携等により問題の解決に積極的に取り組んでいますので、どうぞお気軽にご相談ください。
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