賃貸借契約の比較(借地契約)
- 2017/5/22
- 2019/9/17
賃貸借契約・借地権の内容と違い
賃貸借契約には、大きく分けて、「民法」が適用されるものと、「借地借家法」の規定が適用されるものがあります。
民法と借地借家法の比較(違い)としては、民法が一般法であり、借地借家法が特別法という扱いになります。
したがって、借地借家法の規定に該当する場合は借地借家法が適用され、それ以外の場合は民法が適用されます。
借地借家法が適用されるものとしては、建物所有のための借地契約などがありますが、借主の保護を図ったり、定期借地契約(更新無)により、地主(賃貸人)との間の利益衡平を進めたものになっています。
民法が適用される賃貸借契約
民法の規定による賃貸借契約は、不動産だけでなく、動産なども広く含みます。
不動産の賃貸借契約で、民法が適用される代表的なものとしては、駐車場の賃貸です。
なお、建物の所有を目的とする土地の賃貸借(賃借権または地上権)や、建物の賃貸借は、借地借家法が適用されることになります。
民法の借地権
- 契約期間 20年
- 契約方法 規定なし
- 契約の更新 期間満了・合意により更新可能
- 返還 規定なし
民法 第604条(賃貸借の存続期間について)
- 賃貸借の存続期間は、二十年を超えることができない。契約でこれより長い期間を定めたときであっても、その期間は、二十年とする。
- 賃貸借の存続期間は、更新することができる。ただし、その期間は、更新の時から二十年を超えることができない。
借地借家法が適用される賃貸借契約
借地借家法が適用される賃貸借契約としては、
建物の所有を目的とする土地借地契約 または、建物の借家契約となります。
たとえば、土地を借りて、そこに住宅や工場を建てるというようなケースや、
大家さんからアパートの一室を借りて住むというようなケースが該当します。
借地権の比較(普通借地と定期借地)
借地権とひと口に言っても、更新がある普通借地権、更新規定がない定期借地権、事業での使用に限定した事業用定期借地権などがあります。
それぞれ、契約期間や、契約の様式などが細かく定められています。
普通借地権(更新あり)
- 契約期間 30年
- 契約方法 規定なし
- 契約の更新 拒絶するためには正当事由が必要
- 返還 規定なし
一般定期借地権(更新なし)
- 契約期間 50年以上
- 契約方法 書面(公正証書など)
- 契約の更新 更新しない特約可
- 特約 建物買取請求の排除可
- 返還 更地返還が原則
建物譲渡特約付き借地権
- 契約期間 30年以上
- 契約方法 規定なし
- 契約の更新 規定なし
- 特約 30年経過後に建物を売却する旨の定め
- 返還 建物を地主に譲渡
事業用定期借地権
- 契約期間 10年以上50年未満
- 契約の方法 公正証書
- 契約の更新 更新しない
- 特約 更新、建物買取りなし
- 返還 更地返還
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