空き家と耐震基準
- 2016/11/4
- 2019/3/26
空き家の新耐震基準
相談内容
空き家を利活用しようとリフォームを検討しています。
ところが、自治体から空き家のリフォームの補助を受けるには、新耐震基準を満たしていることが確認できること、または工事完了までに新耐震基準を満たす必要がある、と言われました。
この新耐震基準について教えて下さい。
空き家の耐震基準・建築基準法
建築基準法に基づく新耐震基準は昭和56年6月1日に導入され、同日以降に建築確認を受けた建物は基準を満たしていることになります。空き家が新耐震基準を満たすことによりリフォーム等の補助対象となる場合があります。
新耐震基準とは
昭和56年6月1日、改正建築基準法の施行により、同日以降に建築確認を受ける新築の建築物には、震度6以上の地震に耐えられる性能を義務付けた。
この耐震基準を新耐震設計基準(新耐震基準)と言う。
建築物の新築日ではなく、建築確認を受けた日が基準となることに注意が必要である。
国土交通省住宅局が実施した平成26年空家実態調査集計結果によると、調査を実施した戸建ての空き家等の建築時期は、総数のうち昭和55年以前のものが62.3%、特に「その他の住宅」(前記11解説(2)参照)では74.6%となっており、新耐震基準を満たさない空き家が高い割合を占めている実情がある。
耐震基準適合証明書
空き家の適正管理や利活用の促進事業等において、リフォームを推進している自治体があり、このリフォームの補助対象となる建物として、新耐震基準を満たしていることが確認できること、または工事完了までに新耐震基準を満たすよう求められることがある。
新耐震基準を満たしていることを確認するためには、耐震診断が可能な建築士に耐震診断を受け、耐震基準適合証明書の発行を受ける必要がある。
なお、耐震診断に対しても補助を行う自治体もあるので、事前に確認をすべきである。
耐震基準適合証明書と税制措置
耐震基準適合証明書の取得により、以下のような税制上の特例を受けられることもある。
住宅ローン控除
中古住宅において、住宅ローン控除(住宅ローン減税)が利用できるのは、非耐火構造で築20年未満(耐火構造で25年未満)の建物であるが、耐震基準適合証明書の取得により、築20年(25年)を超過した建物も対象となる。
登録免許税の軽減
中古住宅の所有権移転登記において、登録免許税の軽減(2%が0.3%に軽減される。)を受けることができるのは、非耐火構造で築20年未満(耐火構造で25年未満)の建物であるが、耐震基準適合証明書の取得により、築20年(25年)を超過した建物も対象となる。
空き家の譲渡所得税の特別控除
新耐震基準を満たしていない空き家について、平成28年度税制改正により、「相続により生じた空き家であって旧耐震基準しか満たしていないものに関し、相続人が必要な耐震改修又は除却を行った上で家屋又は土地を売却した場合の譲渡所得についての特別控除(3,000万円)」が創設されている。
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