共有空き家の管理・処分
- 2016/11/4
- 2019/9/17
空き家が共有状態
父が残した空き家は遺産分割未了の状態で、相続人は私を含め子ども3名です。長い間放置をしていたところ、行政から今後の管理等に関する問い合わせを受けました。このような状態でできること、できないことを教えてください。 |
共有不動産の手続き
当該空き家は、法定相続分である各3分の1の持分の遺産共有状態です。
共有の不動産については、共有者が単独でできること、共有者の過半数の同意でできること、共有者全員でなければできないことがあります。
保存・管理・処分行為
共有不動産についてできること、できないことについては、3パターンに分けることができます。
1.保存行為
2.管理行為
3.変更・処分行為
空き家の管理などについて予想・想定されるものとしては、以下のとおりです。
保存行為
保存行為とは、目的物の現状を維持するための行為です。
共有持ち分にかかわらず、共有者が単独ですることができます。(民法252条)
・建物のメンテナンス(大修繕を除く)
・雑草木の伐採、竹木の剪定
・工作物・塀の補修・修理
・建物の耐震検査を受けること
・固定資産税の納付
・家屋の不法占有に対する妨害排除請求
管理行為
管理行為とは、目的物の変更とならない程度の利用や改良を行う行為です。
各共有者の持分の価格に従い、その過半数で意思決定を行います。(民法252条)
・賃貸借契約の解除、使用貸借契約の解除、
・短期賃貸借にあたる賃貸借契約の締結
(短期賃貸者宇については、借地借家法上、疑義があります)
・共有者の中から占有使用者(居住者)を選ぶこと
変更・処分行為
変更・処分行為とは、目的物を処分したり、変更を加える行為です。
共有者全員で意思決定が必要です。(民法251条)
・賃貸借契約の締結、売却、担保権の設定等
・建物の増改築・大修繕
土地の境界に関する行為
なお、土地の境界に関する行為については、単に筆界を確認するものから、境界確定訴訟を提起することまで広範であるが、原則として処分行為に準じた対応が必要である。
不動産の共有解消
土地や建物などの遺産共有状態が続くと、管理・処分に対する様々な制約が生ずるため、速やかに遺産分割協議を経て、相続登記手続きを行い、法的に安定した状態を作り出すようてつづきを進めるとよいでしょう。
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