借地上の空き家の処分について
- 2016/11/4
- 2019/9/17
空き家の売却処分(借地)
借地上の持ち家に住んでいた父が亡くなり、私が相続しました。 持ち家は長期間、空き家の状態で、借地契約書もなく何時から借りているかは分かりません。 私は、別の場所に自宅を所有しており、将来もこの空き家に住むことはなく、また、他の目的で自ら利用する予定もありません。このまま地代を支払い続けるのは無駄な負担となります。 また空き家は老朽化しており、使用するためには多額の修繕費が必要となりそうです。 このような場合は、どのように対応すればよいでしょうか。 |
賃貸借契約の確認と空家の処分
賃貸借契約内容の確認を行うこと、また、空き家の管理・処分(建物(借地権)の譲渡、賃貸借契約の合意解除)などの対応が考えられます。
・賃貸借契約内容の確認
・建物(借地権)の譲渡
・賃貸借契約の合意解除
賃貸借契約内容の確認
賃貸借期間中は、地代を期間満了まで支払う義務がある。
借地上の空き家は建築後相当期間経過しており、賃貸借契約書が存在しないなど、賃貸借契
約内容が明確でないことが多い。このため契約内容を地主との間で確認することが必要である。
借地借家法は平成4年8月1日に施行されており、同法附則にて旧借地法の適用に関する経過措置が定められている。
・借地上の建物の朽廃に関する経過措置(附則5条)
・契約更新に関する経過措置(附則6条)
・建物買取請求権に関する経過措置(附則9条)
など、借地権の適用となる法令の確認が必要である。
空き家の管理と処分
借地権譲渡・契約解除
所有者等は空き家の管理義務を負っているので、適切な管理を行い、地主、近隣等からの苦情、行政からの指導を受けることのないように十分な配慮が必要である。
借地上の空き家の処分としては、①建物(借地権)の譲渡、②賃貸借契約の合意解除等の対応が考えられる。
これらの前提として、借地権としての価値(相続税・贈与税における借地権割合を基に借地権の価値を算出する方法等がある。)と流通の可能性を検討する必要がある。
借地権の譲渡
借地権の譲渡の場合、借地権の譲渡特約がない限り、地主の承諾が必要となる。
承諾が得られない場合は、借地借家法上の承諾に代わる裁判所の許可の申立(借地借家法19条)を検討することが考えられる。
賃貸借契約の合意解除
賃貸借契約の合意解除の場合、基本的には建物を解体し、土地を地主へ明け渡すこととなる。
また、地主との合意により、地主等へ建物を譲渡することも考えられる。
この場合、解体費相当分等の負担、贈与税の問題等を考慮する必要がある。
空き家の関連ページ
よく見られているページ
皆さんに司法書士をもっと身近に感じてもらうため、日本司法書士会連合会が作成した手引書です。画像をクリックするとPDFファイルがダウンロードできます。
『放っておけない空き家の話』(PDFファイル) 「空家等対策の推進に関する特別措置法」が施行されたことを受けて、空き家問題について解説するとともに、実際に寄せられた相談事例を紹介しています。 | 『司法書士のことがわかる本』(PDFファイル) 司法書士の業務紹介では、「家・土地」「相続」「日常生活のトラブル」といった項目ごとに具体的な相談ケースの解説や司法書士がお手伝いできることについて、司法書士の取り組み紹介では司法書士会が行う各種法律相談や社会貢献事業等について紹介しています。 |
『司法書士に聞いてみよう!』(PDFファイル) 「遺言」「会社設立」「成年後見」「相続登記」「司法書士になりたい」といった身近に起きる法律問題に対して司法書士ができることを漫画でわかりやすく説明しています。 | 『困っていませんか?くらしの中の人権』(PDFファイル) 司法書士がくらしの中の人権問題に関して、支援していること・支援できることをわかりやすく紹介しています。 |
※日本司法書士連合会WEBサイトより引用
相続のこと、家族信託のこと、債務整理のこと…
ご不明な点やお困りのことがございましたら、お電話またはメールでお気軽にご相談ください。手続きの費用のこと、どのくらい日数がかかるのかなど、どんなことでもかまいません。○○のことで相談したい、というだけでも結構です。
お問い合わせいただいたご相談につきましては、親身に、丁寧にご対応させていただきますので、遠慮せずになんでも聞いてください。相談無料、土日祝日・夜間も営業しております。
お問い合わせ、お待ちしております。
相談専用ダイヤル☎ 052-890-5415
(年中無休 朝9時〜夜8時 ※土日・夜間はご予約をお願いいたします)