司法書士が独立開業までに準備すること

司法書士事務所の将来像を描く

司法書士の独立開業準備の第一歩は、
まずは、自分自身が、どんな司法書士事務所にしたいのかをイメージすることです。
都心部での開業なのか、地方や地元での開業なのか、自分の中で思い描いているものがあるはずです。
開業して、仕事が増えて忙しくなっても、それがブレることがないよう、具体的に形にしていきます。

司法書士事務所の経営理念・事業理念を考える

独立して、司法書士事務所を開業するというときに、まず最初に考えなければならないことは、「理念」です。
経営理念や事業理念と呼ばれるもので、
「司法書士事務所を開いて、何をしたいのか、どんなことを実現したいのか」
ということです。

この理念は、公共的な意義をもったものがよいでしょう。
この事業をとおして、社会に対して何ができるのかを考えることです。
この理念がしっかり定まっていないと、事務所としての方向性を見失ったり、いたずらに金儲け主義に走ってしまい、挙句の果てには犯罪を犯してしまうようなことなってしまったりしまう危険があります。

独立以外の選択肢もある中で、なぜ独立するのか。
何をやりたいか、何を得たいのか。
自分を棚卸しして、ポイントとなるところを掘り下げていくことが重要です。

独立開業後のビジョン・イメージを画く

事務所のビジョンを明確にすることも大事なことのひとつです。
事務所のイメージ、どんな事務所にしたいか。
どんなお客様に来てもらい、どのように経営していくか。
イメージをふくらませてみてください。
たとえば・・・

  • 入りやすい、あったかいイメージ、白・茶を基調
  • 観葉植物
  • コーヒーメーカー
  • 2~3人座れるデスク
  • 応接机・ソファ
  • クラシックが流れる執務スペース
  • 実務書が並んだ書棚
  • 経営理念を額に入れて飾る
  • 親しみやすい事務所名
  • 作業台でスタッフが作業
  • 朝礼しっかり
  • 理念に共感してくれる人を雇用

など

独立開業に向けての具体的な準備

スケジュール

司法書士事務所の独立開業を決めて、すぐに事務所をオープンするというのは、ちょっと無理があります。
できれば、半年ほど前から、少しずつ準備を進めていったほうがよいでしょう。

事業計画・開業資金計画を立てる

まずは、開業するための事業計画と資金計画です。
開業に向けて、ノート一冊購入して、使い切るつもりで準備をしましょう。
開業にあたり、日本政策金融公庫(旧国民生活金融公庫)や銀行・信用金庫から融資を受ける場合は、必ず事業計画書を作る必要があります。
ただ、融資を受けないで自己資金で開業する場合でも、事業計画を立てたほうがよいです(当然ですが)。
それにより、開業後のビジョン・プランが定まり、リスク分析もできます。
より鮮明にイメージができ、開業と同時にスタートダッシュが切れると思います。

自己資金か融資を受けるか

独立開業にあたって、自己資金で開業するか、金融機関から借り入れをするかは、悩むところだと思います。
これは、独立した先輩司法書士の中でも意見が分かれます。

融資を受けたほうがいいという人の意見

開業時は融資が受けやすい。後から、業績が悪くなってから貸してくれと言っても、なかなか貸してくれない。
業務では、費用の立て替えなどがあり、資金がショートしたら終わり。自己資金があっても、資金繰りには余裕があったほうがいい。

実際に、自己資金で開業してから、「これは危ない」と思って急いで融資を受けたという人もいました。
その後、返せる状態になっても、手元資金として返さず残しているということです。

融資は受けないほうがいいという人の意見

お金を借りて開業するなんて、リスクがある。毎月の経費も増える。
司法書士の開業にはそんなにお金がかからないんだから、貯金の範囲でやるべき。

融資を受けて開業をした人の中には、「毎月の返済負担があるから、自分が今から開業するとしたら、借り入れをしないでスタートする」と言っている人もいました。
ただ、その方も今の時点で一括返済するのは怖いと言っていました。

結局どっちがいいの?

結局のところ、自分がどういう事務所運営をしていきたいかということだと思います。
自宅開業で、自分の生活費だけの収入があればいい、ということであれば、わざわざ融資を受ける必要もないので、貯金でやりくりすればよいでしょう。

事務所を借りて、基盤をつくっていきたいということであれば、融資を検討してもよいかと思います。
融資受けない派の意見では、「リスクがある」という声がありましたが、融資を受けようが受けまいが、独立開業するということ自体リスクがあります。
リスクについて、見ないふりをするのではなく、しっかり分析して対策をすることで、リスク管理・リスク回避をすることができます。

手元資金に余裕があると、設備拡充や従業員の確保など、機動的に事業を運営することができます。
金利も、2~3%の低金利なので、いたずらに「怖い、怖い」と言うだけでなく、事業計画に組み込んでしっかりとリスクを見ることが重要です。

独立開業の際に準備するもの

司法書士事務所の独立開業では、「最低限、電話とパソコンがあればいい」ということが言われたりしますが、しっかりとした事務所をつくるためには、ハード面とソフト面で準備することがたくさんあります。
詳細は、独立開業で準備するものチェックリストをご覧ください。
デスク・チェアなどの什器から、電話・FAX・プリンタ・パソコン、こまごまとした文房具、名刺や封筒の準備も必要です。
電話回線・インターネット回線の契約や、司法書士電子証明書の登録なども必要になってきます。
(特に、電話回線とネット回線は時間がかかります。)

また、独立開業後は、個人的な私用で使うお金と、事業で使用する経費はしっかり分けたほうがいいです。
クレジットカードについても、今使っているものとは別に、業務用のクレジットカードを準備したほうが良いです。
登記情報提供サービスでの引き落としに使用したり、高速道路の移動でETCやガソリン代で使ったり、最初はかなり使うことが多くなるため、ポイントが多い楽天カードや、三井住友カードなどがおすすめです。
開業と決めたら、すぐに時間が経ってしまいますので、早め早めで準備を進めていきましょう。

独立開業にあたって検討すること

司法書士ソフト比較

司法書士業務ソフトを使うかどうか、使うならどのソフトを使うか、という検討が必要です。
使い勝手だけではなく、サポート面も重視するとよいでしょう。
司法書士システムの主なものは、以下のとおりです。

  • 権(ちから)/株式会社リーガル
  • サムポローニア/株式会社日立ソリューションズ
  • 2in1(ツーインワン)/株式会社ビービーシー(BBC)
  • 司Plazon(つかさプラゾン)/日本電算企画株式会社(NDK)
  • 司法くん/ピクオス株式会社

司法書士法人はらこ事務所では、権を使用していますので、信頼できる担当者をご紹介させていただくことも可能です。

事務所探し

開業場所は、自宅でもできますし、事務所を借りて開業することもあるでしょう。
事務所を借りるためには、初期費用が結構かかるので、そちらの準備も必要です。

独立した先輩の話を聞く

独立した先輩方の話を聞くことは、とても勉強になります。
うまくいったこと、失敗したこと、たくさん教えてもらい、勉強しましょう。

開業後の手続き

司法書士会への届出

司法書士会への登録や他の事務所で勤務していた場合は、事務所変更などの手続きが必要になります。
司法書士会へ初めて登録する場合は、司法書士の職印の作成が必要です。
忘れずに、早めに行いましょう。

開業届・銀行口座開設

事務所を開業した後は、税務署への開業届を行い、銀行口座を開設します。
最近は、オンライン申請を行うことも多くありますが、インターネットバンキングの登録が必須です。
時間がかかるので、余裕をもって手続をしましょう。

独立を目指す司法書士も大歓迎

司法書士はらこ事務所では、将来、自分で独立開業したいという司法書士資格者の方も大歓迎です。
司法書士事務所の実務だけではなく、実際の経営・営業についても、しっかり勉強していただけます。
詳細は、司法書士の募集・求人情報をご覧ください。
 

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